SUNBEAMS  2021 TOKYO
2021年に東京都内の木漏れ日を撮りました。史上初の1年延期・無観客で開催された東京オリンピック。2020年の通常開催を想定し、2013年の秋頃から7年近くもの歳月をかけて、様々な業界であらゆる準備がされてきました。オリンピック開催の為だけでなく、観光立国を目指して推進されていた動きを含んだ経済的損失や、心理的ストレスはとても大きいと多くの人が感じています。
パンデミックとオリンピックの2021年、多くの人が行動を抑制し、在住の都道府県外に出ることも少なく、家族以外の人と会うことを控え閉塞感を感じる日々。この時の感情の記憶のようなモノを何か記録しておきたいと思ったのです。オリパラ開催期間中の新国立競技場周辺は、バリケードが設置され自衛隊・警察による日本ではあまり見ることのない超厳戒態勢。周辺はまだ建設工事中の場所もあり、その場所を囲うように設置される仮囲いと呼ばれるパネルを並べた壁に「TOKYO 2020」の文字が大きくラッピングされていました。工事が完了したら取り外される仮囲いに、街路樹を通り抜けて降り注ぐ木漏れ日は、この時しか撮れないと感じ、晴れた日に早朝から時間とともに変化する光を撮りました。樹木と建造物の距離感、太陽の位置や雲の動きにより、光度や形状が刻々と変わる木漏れ日。風が吹けば揺らぎが生まれ、陽の光に雲がかかれば淡くなる。いつも通りのそんな自然現象がいつも以上に美しく感じ、TOKYO2020の仮囲い、都内のオリンピック関連施設やその周辺の建造物に降り注ぐ木漏れ日を写真に撮りました。
2021年の東京都は、緊急事態宣言・まん延防止措置を合わせた日数が252日。1年の2/3は何かしらの発令状態であり、その他の期間も慎重な行動をとる1年となりました。2年間続いているパンデミックの収束を願い、希望の光を探すような心情は今も続いています。2022年2月22日の今日の時点では、まだ完全収束のシナリオは見えていませんが、誰しもの願いと同じく、医療現場の逼迫と社会活動の停止が起きないことを願うばかりです。

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